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4秒でわかる Pin Point ワールドカップ2010 決勝トーナメント

text by 雅子さま

決勝トーナメント    2010/6/26~7/11


7月12 日 監督のW杯だった

● 決勝戦 オランダースペイン 0−1(延長) ヨハネスブルグ
スペインが勝つと世の中のちびっこが勇気づけられるし、オランダが勝つと美しさより強さの新トータルフットボール誕生かなどと、どちらに加担するでもなくゲームを見ていた。前半はスペインのパスワークをオランダが激しい守備でつぶす。退屈。その上オランダに汚い(本当に!)プレイが多いものだから気分が悪くなる。カード5枚。後半はビジャとロッベンのシュート合戦になるが決まらない。カード4枚。で、延長戦である。PK戦だけは避けてくれと念を送っていたら、延長後半11分イニエスタがセスクからのボールを上手くトラップしてシュート!GOOOOAL!よかった。イニエスタで。よかった。オランダじゃなくてスペインで。だって延長30分だけでカード5枚。計14枚。
スペインのデルボスケは、彼がレアルマドリー最盛期の監督だったころから私は尊敬している。かつて名選手いま老獪。かたやオランダのファンマルヴェイク監督。代表選手は短命、自分に見切りをつけて監督業へ(拙稿6月28日参照)。今回も予選から決勝までのチームの作り方、つまり各試合における選手のピーク度を10%から100%までに上げる過程が素晴しかったので、これぞW杯の戦い方と注目していた。ところが決勝戦が始まると、オランダは飛び蹴りあり、ハンドあり、ファウルのデパートではないか。試合終了後「我々は沢山のファウルを犯した。でも相手も同じだ。最後にCKをもらえたはずなのに審判は見ていなかった。勝ちたかった。辛い」と監督は熱く語る。残念なコメントだったなー。ロッベンが「悪いゲームでもいい。勝ちたい」と試合開始前に言っていたこととズレがない、ってことはファウル容認監督だったということか。本当にLEONにいうチョイ悪オヤジだ。やれやれ。
思えば今回のW杯、スター選手が不調だけでなく、例年のように注目を集める新星もいない。身振り手振りしゃべりぶりが楽しいマラドーナ監督は誰よりもカメラを引きつけたし、ノンタレの若造たちをまとめあげたドイツのレーヴ監督も素晴しかった。試合毎のチームの進化は、新興IT会社の快進撃またはドイツ版Rookiesを見ているようで、ドイツ代表としてタコのパウルと同じくらい世界の活字メディアをカバーした。
失敗事例(ごめんなさい)としては、代表監督歴10年ギリシャのレーハーゲル、同じく6年フランスのドメネクだろうか。選手の若返りをはかることができず、かといってベテランを生かすこともできず中途半端で終末をみる。特にフランスはサルコジ大統領までかつぎだす騒ぎになってしまったし。
代表監督は割に合わない仕事という。世界中が見ている舞台で勝つ事を目的に戦略、戦術を考えなければいけないから、ある意味一国の大統領や首相よりプレッシャーがかかる。そして今のように、プレミアやスペインリーグ、セリエAなど各国リーグにおける過酷なスケジュール、UEFAの行事を考慮しなければならないとすると、単に選手の技量を上げるだけではすまない。だからモウリーニョのような経済詳しい&メディア操作抜群という監督が、注目を集めるわけなんだけど、そんな人がそう何人もいるはずがない。
日本の次期監督にチリのビエルサが来るという噂があったが、16日チリでの続投が決定。チリは結構いいサッカーをしていたから(特に一次リーグのスペイン戦!拙稿6月25日参照)実は密かに注目していた。ビエルサはアルゼンチンの名家の出身。親兄弟が医者や学者で、本人も理屈が得意。と同時に大胆さも併せ持っていると小耳に挟んだので、日本が次のレベルを目指すにはちょうどいいと思ったのだ。本田も言っていたが「パラグアイー日本戦は、この2国以外の人は見ていないし、そういう試合だった」と。同意。岡田監督の指揮下ではここまでが限界である。よく頑張ったとは思うけれど。
試合が終わって、オランダのスナイデルが一人ピッチの上で泣いていた。悔しいだろう、でも、まだ26才。君には次がある。それと髪を伸ばした方がいいぞ。最後の最後で君が意外とイケメンだということに気がついた。技術のあるイケメン選手が増えてくれると、監督論という小難しい話をしなくてすむからね。
やっぱりW杯はスター選手がキラキラしている場所であってほしい。2014年はベッカムが復帰しているかもしれない。主催国ブラジルには新しい才能が生まれているはず。サッカーの神様は演出がうまいなあ。次への余韻をいつも残してくれる。

7月11日   あの子は国歌が唄えない

二重国籍を持つ友人が数人いる。日本の他にアメリカ、オーストラリア、イギリスの国籍を持っている。一人に「なんでアメリカにしないわけ?」と尋ねたらこんな答えが返ってきた。「日本のパスポートの方が入国審査ですんなり通れる場合があるから」だそうだ。無条件に信頼されている国Japan。それを利用する多忙なジェットセッター、別名こうもりの知恵。
W杯の場合そんなにお気楽にはいかない。ある国から代表として出ると、後で他の国の代表になることはできない(FIFA規則2007年版:第15条原則から)。例外は、複数国籍を持つ者でA代表の試合出場経験がなければ、21才までに保持する他の国籍代表に一度だけ変更できる。そんなわけで20才前にドラマが生まれる。7月10日の原稿に書いたボアテング兄はドイツとガーナの間で翻弄された例。そして、ドイツの新星オジルも両親がトルコ国籍のため同じ問題にぶつかる。2009年トルコから代表要請を受けるが、ドイツから出たいがため断ると、命の脅迫を受けたり、個人サイトが攻撃を受け閉鎖騒ぎを招く。W杯のためなら国は選ばない人と、国を選んじゃった人が同じ試合に出ていたのは皮肉でしかない。
思えば今ポルトガル代表のデコもブラジル出身。ブラジルは選手の層が厚いので、無理だと思ったら別の国!という手段に出る人がいる。呂比須ワグナー、最近では闘利王といえばわかりやすいか。デコも、ま、そんなわけで19才でポルトガルに渡る。有名なスコラーリ監督に見初められて彼が代表監督になると同時にポルトガル代表に。そして2003年の初代表ブラジル戦で決勝点を決め、ブラジルから嬉しいブーイングをくらう。その後2004、2006年のUEFAやチャンピオンズリーグではMVPをもらうが、W杯には縁がなく、2010年も初戦出場のみに終わった。32才。これで代表は引退する。
で、メッシである。勿論アルゼンチン国籍だが、13才の時患っていたホルモン系難病を治すがために、治療費(月収20万の家庭で薬代に15万かかっていた)一切を負担してくれるというバルセロナに単身渡り、以降プレイを続ける。昨年はバルサのエースとしてヨーロッパ系MVPを総ナメ。アルゼンチン代表戦では活躍できていないにも関わらず、マラドーナ監督の「メッシはオレの再来」というコメントが加担して、南アはメッシの大会になるという下馬評が強かった。さて開幕。とにかく献身的に動き、正確なパスを出し(拙稿6月17日参照)、5試合で30本のシュートを放った。でも最終的にはノーゴールに終わった。メッシのW杯はあっけなく終了。「やっぱりメッシはバルサ育ち。あいつは国歌を歌えない」という地元アルゼンチンの新聞の見出しにどれだけ傷ついたことだろう。出たい国からW杯に出場しているにも関わらず、認められない哀しさ。
優勝したスペイン代表の写真にメッシがいた方がしっくりくるな、という感情を私もどうしていいのかわからない。いわんやアルゼンチン国民おいてをや。

7月10日 ボアテング父の浮気がドイツの快進撃を!

● ウルグアイードイツ 2−3  ポートエリザベス
6月23日のガーナードイツ戦を見ていて、名前が同じで肌の色と目の周りがなんとなく似た二人が両チームにいると思ったら、それがボアテング兄弟だった。ガーナの黒曜肌の中で一人だけ色白なものだから(といっても黒いことには変わりはないが)首筋から手まで入れ墨が目立ったケビンプリンス(23才)が兄。弟ジェローム(以下弟ボア)はドイツ代表の21才。二人とも生まれ育ちはドイツ、父はガーナ人、母がそれぞれドイツ人という異母兄弟である。兄ボアはドイツ代表として出たかったので、2006 年ガーナからの要請を拒否したが、2010年も叶わぬ事を知り、ガーナ代表になることを決意。弟ボアは、ハンブルガーでの活躍がレーヴ監督の目にとまり、昨年10月に代表入りした。
この二人が不仲で今は言葉も交わさないというので、父親の浮気が後を引いている?それとも兄が弟に嫉妬?と思ったがそうではなかった。兄ボアは普段プレミアのポーツマスでプレイをするが、今年の5月FAカップ(イングランド版天皇杯)の決勝戦で、チェルシー所属のバラックにタックルをかけて負傷させ、バラックがドイツ代表からはずれる原因となる。この件バラックが兄ボアに対し提訴しかけていたほど根が深い問題で、弟ボアが未だに兄を恨んでいるわけ。
ドイツ代表にとって、技術的にも精神的にも柱だったバラックを奪われたのは悲劇だ。その義憤が兄弟に亀裂を与えたわけだが、私は正直に言うとバラックの不在は結果的によかったのではと思っている。バラックは、プレイも人柄も素晴しく堂々としているため人は彼に120%依存するし、周囲も“バラック小皇帝”(皇帝はベッケンバウアー)の前でミスは厳禁と緊張する。それを知っていたレーヴ監督は、バラックの不在が決定的になるとグイッと舵を切る。26才のラウムに「お前が中心だから」といい聞かせ、若手をどんどん起用する。兄の愚業を償うように身体を張って守る弟ボア、そして同じ21才ですでに重鎮の流し目オジル。W杯開幕後固定メンバーとなるGKノイアー、DFバドシュトウバー、得点王を狙うミュラー、3位決定戦で1点を決めたケディラはW杯予選にすら出ていない。
7月10日は悪質の風邪と怪我で欠場するラウム、ボドルスキー、クローゼといった主力の代わりにアオゴ、ヤンセン、カカウを起用。後半さらなる攻めと時間稼ぎに入れた3人も、クロース、タスチ、キースリングで、誰これ?っていうのが見てる側の印象。3位決定戦は練習台だ。レーヴ監督はもう2014年を見すえている。
2002年に紅顔の美少年(拙稿2002年6月5日参照)だったクローゼは、2014年に3回目の得点王にチャレンジしてくれるだろうか。してくれたら本当に、うれしい。

7月9日  上半身より下半身

決勝リーグ出場国が出揃った頃、ユニークなトーナメント表がTwitterの世界をかけめぐる。16チームの代表ユニフォームロゴで作られたそれは、adidas7、NIKE5、PUMA2、UMROとBROOKS(!)が1つずつ。http://twitpic.com/20m209 見ただけで出場国がわかる人は間違いなくサッカー通。
で。残すは決勝のみ。オランダースペインつまりNIKE対adidasの勝負である。5月、YouTubeにアップされた3分の超大作CM“Write the Future”は、一週間で7800万Viewを記録する。いかにもNIKEの2010年になるように思えた。ところがゲームが進むと、出演しているドログバ、カンナバーロ、リベリは一次リーグでおさらば。ルーニ−、ロナウドも16強まで。ロナウジーニョは代表選手にさえ選ばれなかった。もう呪われているとしかいいようがない。急遽テレビのオンエア版は、ロビーニョ篇に差し替えられたが「あのNIKEに出てる人、誰ですか」とアタクシ10人以上から聞かれましたよ。
でもね、個人が履いているスパイクはNIKEの圧勝でした。62試合中57(私もヒマだ)見た限りでは、先がグレーでかかとがオレンジのT90 とTiempo、もしくは昔からの名作Mercurialの黄色モデルが殆ど。試合が進めば進むほど、黄色とオレンジの足ばかり。
NIKEの技術力は選手が十分支持しています。No Problem! もひとついえば、上半身はadidasだがスペインのイニエスタ、ピケ、トーレスのスパイクはNIKEです。というわけでStay tuned!
おまけのクイズ:BROOKSはどこの国でしょう。解答はTwitterの@masakokawaiiまで。

7月7日 ヌーボーか、ヴィンテージか。

● ドイツースペイン 0−1 ダーバン
イングランドとアルゼンチンから4点ずつ獲れたチームが、スペイン相手に苦労している。きびきびしたパスワークを遮断できない。前半スペインのボール所持率は64%。後半こそほぼ50:50になったものの、ラウムが髪の毛を汗でへばりつかせて中盤までカットしに行かざるを得ない。左のボアテングがラウム不在の右まで走る。穴になったセンターバックをシュバインシュタイガーが下がってきてカバーする。シュバインの場所をクローゼがケアする。さらにこの日は累積イエローでミュラーがいない。つまり1%のチャンスを1点に結び付けるハイエナがいない。
風が吹けば桶屋が~じゃないけれど、スペインのパスは縦横無尽でふわっとパシッとしなやかで上質のワインのようだった。この日は11人中7人がバルサのチームメート。イエニスタ、シャビ、ピケ、ブスケッタという中盤に、FWのペドロとビジャ、そして渾身のヘッドを決めたプジョル。ここ一番の舞台でバルサ流儀のプレイを披露してくれた。ドイツにとっては得意のカウンターをかけにくい、いやな相手だっただろう。この数試合常に爽やかだったドイツの顔に、苦痛と汗が見える。手を振り回して叫ぶレーヴ監督。雰囲気を変えるべく後半ヤンセンやクロースを投入したが、したたかなバリアを打破するのに若手でよかったのかどうか。ここに、レアルマドリーの最盛期の監督を務めたデルボスケとの差が出たように思う。極力ミスをしない。それはクラブチームが上位争いをする時の鉄則。所属チームよりも代表チームでいる方が伸び伸びしている若手中心のドイツと、ヨーロッパで1,2を争うクラブのメンバー中心で闘うスペイン。戦略の違い、いや構造上の違いが結果に出たにすぎない。メンバー表を眺めて、気がついたこと。メッシはここにいたかっただろうな。
決勝はオランダースペイン。決勝進出は初めてのチーム同士の闘い。サプライズは終わらない。

7月6日 「俺たちだって南米なんだよ」

● ウルグアイーオランダ 2−3 ケープタウン
後半22~23分の2分間が濃かったこと。ウルグアイ10番フォルランの見事なFKをGKがセーブ。その後すぐ、後半から登場したオランダ23番ファン・デルファールトのシュートをGKが華麗にはじきとばす。日本時間午前5時に近いのに、目はランラン、手に汗握るガチンコの戦い。準決勝でこんな展開になることを誰が予想しただろう。それから5分でオランダが勝ち越しの2点をラクラク決めてしまったが、ウルグアイもロスタイムにド根性で1点返したりして、いやあ見応えのある試合でしたよ。
「みんなアルゼンチンとブラジルの話題しかしないけど、俺たちも南米なんですよ」W杯が始まって間もない頃、ウルグアイかパラグアイ(ごめん)の選手がコメントしていたのを覚えている。結局決勝リーグには、アル、ブラ、チリ、ウル、パラの南米5カ国が勢揃い。メディアは「2010年は南米の年!」と大騒ぎしてたっけ。結局4強に残ったのはウルグアイだけだったけど、そして負けちゃったけど、彼らは素晴しい試合を見せてくれました。出場停止だったスアレスの分まで、フォルラン頑張りました。チリも充実した試合をしてたし、パラグアイといえば日本との死闘&スペインとの善戦…今年のW杯は、いい想定外が沢山ある。どうかまだまだサプライズが続きますように。
しかしオランダはどんどん強くなってるな(これはつぶやき)。

7月5日   スーツの効用

岡田監督が日本サッカー協会の犬飼会長にジャージ禁止令を出されたのは、有名な話。こうしてW杯を見ていると、やはり監督はスーツ姿に限る。筆頭は、元イングランド、今回はコートジボワール監督のエリクソンじゃないかな。ドイツW杯。決勝リーグのイングランドーエクアドル戦(拙稿2006年6月25日参照)の会場で私は彼を目撃する。濃紺のスーツに白シャツ、縞のネクタイ。黒いウイングチップを履き背筋は凛と伸びている。 今も記憶に鮮明な、色気ある58才(当時)。イングランド監督現役中はイタリア人の美人弁護士との浮気がバレて離婚。その後もTVキャスターやサッカー協会秘書との浮き名を流して大衆紙SunやMillerが大喜びするネタを何度も提供してきた彼。ローマ、サンプドリア、ラツィオというクラブを連続優勝させてきた実績と華やかな女性関係を司ってきたのは、ひとえにスーツのおかげだったのではないだろうか。暴論かもしれないけど。
2010年、白いジャージ姿のコートジボワール監督をカメラが映す。アナウンサーのコメントがあるまで、その人がエリクソンとは全く気がつかなかった。色気のかけらもない。6月25日予選リーグ敗退の責任をとって辞任。3ヶ月足らずの代表監督だった。
イケメン選手が不在の南ア大会。女性の話題にのぼる監督は、みんなLEON系、いやスーツ男子(笑)である。日本が対戦したカメルーンのルグァン監督、オランダのマルヴェリク監督、ドイツのレーヴ監督。ラスト二人はまだ登場機会があるので、男性陣は着こなしに注目を。50代モテの秘訣満載ですよ。
そういえば昔、トヨタWINDOMのCMにNBAシカゴブルズのコーチだったフィルジャクソンが出ていて、かっこよかった。彼もスーツを着ていた。

7月4日 メッシ奉公は必要かー4人の話

2007年カカ、2008年ロナウド、2009年メッシ。何のことかおわかりだろうか。バロン ドール受賞者。サッカージャーナリストが選ぶヨーロッパ年間最優秀選手だ。残念な事に彼ら3人+ルーニーは、W杯という舞台から早々と降りる。しかも4人のゴールは、ロナウドの1点のみ。驚いてしまう。なぜ彼らほどのスターがW杯だと活躍できないのだろう。
ロナウドの例をみてみよう。7点を取ったポルトガルー北朝鮮戦(6月21日)を見ていて感じたのは「ロナウド、意外にいいヤツ。大人になったな~」だった。よく周りにパスを出す。ゴールのお膳立てをする。しかし最後のスペイン戦(29日)は、さすがに余裕がなく、右かと思えば左サイドに走ってありとあらゆる段階でボールにからみ、無理な姿勢でシュートを試み、自滅。一人で“ポルトガル”を背負っちゃっていた。メッシの例は、拙稿6月17日参照
そう。4人とも所属クラブではゴールを決める手はずをみんなが整えてくれるから“オレ様”でいればよかった。でも昨今の代表チームでは、そういうわけにいかない。全員レベルも違えば、普段バラバラの国にいるため慣れるまでに時間もかかる。一流チームで一流のひとだけでプレイした経験が、彼らをスター選手ではなく、ゲームメーカーや、時に監督もどきの役割までさせてしまう。マラドーナが言う。「俺たちの時は、自分のやりたいことだけやってればよかった。今はチーム、国に奉仕することを考えなきゃいけない」パスの成功率(長短含めて)がカカとメッシが70%以上、ロナウドとルーニーも60%を軽く超える。果たしてこれがストライカーの数字なのか。試合が終わってカメラに毒舌やツバを吐ける、ルーニーやロナウドはまだいい。感情を吐きだしてるから。むしろ下を向いたまま、沈黙を守る人が心配。特にメッシ。アルゼンチンのメディアの人、お願いだから「メッシは代表戦で手を抜く」なんて攻撃しないでください。全く逆なんだから。
メッシには、早く元気になってほしい。バルセロナはいいチームだけど、W杯でも勝ちたいなら、アルゼンチンのクラブに戻るという選択肢もあり。冗談はさておき、2014年のブラジル大会、この4人はどう成長しているだろう。大きな楽しみができた。

7月3日  数字でみるドイツ

アルゼンチンードイツ 0−4  ケープタウン
ドイツの強さに関しては賛否両論あるようだが、少なくとも1次リーグを全てみた私の主観には一番強く映った。本稿は、客観的分析に終始する。
○ミュラーは試合開始160秒でゴール。南ア大会で最速。しかもドイツのW杯通算200得点になる。200点に到達したチームは、ブラジルに次ぎ2番目。○クローゼは代表100試合目で2ゴール決める。しかもW杯通算14得点も達成。彼の前にいるのはロナウド(ブラジル)15点だけ。ドイツ歴代ではミュラーに次ぐ2位。○チームでは南ア大会で13ゴール。ダントツ1位。○アシストランキングでは1位にシュバインシュタイガー、オジル、ミュラーが3アシストずつで並ぶ(ブラジルのカカも同位だがすでに脱落)。○走行時間の指標でHigh Activity Time(全速力で動いた時間)というのがある。5試合通じて1位はケディラの40分、2位と3位にスペインの二人のシャビ。4位はシュバインシュタイガー。Low Activityの上位はほぼGKと書けば想像しやすいだろうか。Medium Activity Time(中間速で走っている時間)1位と2位は、これもシュバインシュタイガーとケディラ。つまり、手を抜かない人が2人もいるのだ。○20才のミュラーと21才オジルが注目されるため若いと言われるドイツだが、本当はどうか。代表登録選手23人の平均年齢が一番若いと言われたガーナで最近の試合(7月2日)に出ていた先発11人と、ドイツ7月3日の先発11人の年齢を比較(私もヒマだ)。ガーナは25.5、ドイツ24.8。若い。○さて重要な得点王では、1位のビジャ(スペイン)5点を、ミュラーとクローゼが4点ずつで追い上げる。次の試合で、勝ったチーム&選手が今回栄冠に輝くのは確実。というわけで、準決勝のドイツースペイン戦はDon't miss it!

7月2日  神の手と呼ばないで

● ウルグアイーガーナ 1−1(PK4−2)
3日付幾つかの新聞の見出しに“神の手”なる単語を見つけた。延長後半の終了間際、アディアの完璧なヘディングシュートをウルグアイのスラレスが、ゴールライン上において手でブロックした。そしてガーナのPKを招く。しかしギャンがPKをクロスバーに当ててしまったため勝負がつかず、本当のPK戦に突入。最終的にはウルグアイが勝利を納めたがため、一発レッド退場だったハンドが美化されてしまったわけ。しかしスアレス本人がギャンがPKをはずしたところで飛び上がって大喜びしている画面を見、インタビューで「このW杯で最高のセービングだった」などとのたまっている光景を見たら、だんだん腹がたってきた。お前、サッカーわかってんのか!GK以外絶対手を使ってはいけないというシンプルな決まりがあるから、ここまで面白く、美しく発達したのだぞ!サッカーのこれまでの歴史を踏みにじられたような気がしたのは、私だけだろうか。
“神の手”という言葉はそもそもマラドーナに由来する(1986年メキシコW杯
http://www.youtube.com/watch?v=u0zjx4MAHzk&NR=1)  確かにいけないことだったけれど、点を入れただけ(!)で誰も傷付けない手だった。今では伝説で、笑い話だ。スアレスの手は、絶体絶命のタイミングにガーナの勝機を奪っただけでなく、ギャンのプライドも粉々にした。日本のPK戦で駒野が失敗したことなんて、大した事じゃないと痛感している。お願いだからメディアは“スアレスの神の手”なんて2度といわないでほしい。神はこんな手を、許さないと思うんだけど。

7月1日  インドも参戦していた

スポーツ観戦していると、職業柄かスポンサーの看板が気になる。今回やたらと目をひいたのがMahindra Satyamという赤い看板。インドネシアかインドっぽい名前けど何の業種だろうと調べてみた。インドの会社でITアウトソーシングの大手。日本でいうとNTTコミュニケーションズ的位置。1987年の創業で、吸収を繰り返しあっという間に大手になる。そしてオフィシャルITサービスプロバイダーとして2010年と2014年のブラジルを担当する。実は昨年インド国内で粉飾決済が明るみになって落ちたイメージを、金の力で上向きにしたいというのが本音らしい。インドか~。このポジション、2002、2006年はAVAYA(アメリカ)が担当していたことを思うと、時の変遷を感じる。ロシアや中国の看板が出てきても、驚いてちゃいかんのだ。そういえば1994~2006年までは富士フィルムが大スポンサーの一つだったし、パートナーのJVCやTOSHIBAの広告を自分でも作ったっけ。日本はもうSONYだけか。“Budweiser百威”という中国を意識した看板も健在だ(2006年7月7日拙稿参照)。ワールドカップは代理戦争と言われるが、経済戦争の縮図でもある。BRICSの時代は本当に来ている。

6月29日 号泣の理由

● パラグアイー日本 0−0(PK5-3) プレトリア
試合終了後、マルティーノ監督が号泣する。2007年南米コーチオブザイヤ−をとっている知将が、周りをはばからずワイワイ泣いている。ずっとカメラもそれを映している。なかなか泣きやまないので、周りにいたコーチがとんできて彼の顔をカメラから隠すように抱きしめた。彼にとってそれほどプレッシャーの大きな試合だったんだなあ。英国の賭け大手ウイリアムヒルによれば、開始前日本のオッズは401倍の大穴(つまり最低)。しかし初戦にカメルーンに勝ってから徐々に力をつける。オランダ、デンマークにも引けをとらない、組織でキビキビ動く東洋のよくわからないチーム。こんなの事前のビデオにはなかったぞ。何回か決まるシュートを放ったのに、小さなNagatomoとか鬼のような顔をしたKawashima、Nakazawa が止めくさる。自分たちのネチッこいサッカーにもついてくる。アルゼンチンから雇われた身としては、悪夢のような試合だったのだろう。「こんながちがちの試合は誰も見たくなかっただろうね。内容には全く差がなかった。だからPKは妥当な決め方。負けたJapanには申し訳ないが、うちにちょっとの運があった」ここまで言われているのだ。悔いはない。いい試合だったよ。8強に入るには、運も必要。努力と運。どこの世界も同じ。PKをはずした駒野を、彼をずっとマークしていた暴れん坊バルテズが慰めにいったところで私も号泣。

6月28日  Beautyは大事だろうか

● オランダースロヴァキア 2−1  ダーバン
まだスコアは1−0なのに、後半26分でロッベンを、35分でファンペルシーを交代させる監督はタダ者じゃないと確信した。標準は次のブラジル戦。しかもコイツ勝とうとしている。グレースーツに白シャツがトレードマークのマルヴァイク監督は58才。イケメン選手の少ない今年、LEON系として女性陣に人気が高い(blog検索するとわかります)。すでに4勝しているにも関わらず、地元オランダ民には「美しくないサッカー」と評判がよろしくない。マルヴァイクは反論する“It’s not about beauty. It’s about beauty and winning prize(美しく勝てばいいんだ)”と。戦術は意外とシンプル。オフサイドを誘うラインの管理。30m追いかけるより4m全力ダッシュしてボールを取り戻す方が合理的。マークされてもトップスピードで走りながらチームメートにパスを出す(彼はこれをバルセロナの手法にちなんでバルサゲームと呼ぶ)、が主なところか。確かにロッベンもスナイダーもカイトもこれができる。そして試合後は必ずビデオを皆で観戦する。30才で選手を引退、コーチ界にどっぷり浸り、2008年はフェイノールト(昔、小野がいたクラブ)をUEFAカップ優勝に導いた遅咲きの監督。ブラジルとはどう戦うのだろう。その前に、彼が来ているスーツのブランドを知りたくてしょうがない。理由はないけど。

6月27日 因縁はあった。信念がなかった。

● ドイツーイングランド 4−1 ブルームフォンテーン
ランパードのループシュートを審判がゴールと認めなかった昨夜の出来事は、ご丁寧にも画像付きで世界をにぎわせている。1966年にも同様の事件が(この時はイングランドがラッキー、ドイツが泣いた)あったために、因縁という単語がニュースを飾るが、あえて言おう。もしランパードのシュートを認めて前半2−2で折り返したとしても、イングランドは勝てなかった。
念のため。筆者は筋金入りのイングランドファンであり(2002年と2006年は優勝に賭けて数百ポンドの大損)、年に1度はチェルシーの試合をロンドンまで見に行く大馬鹿だし、8番ランパードのレプリカシャツも2枚持っている。でも、昨夜はドイツが圧倒的に上手だった。イングランドは動いて入るものの、ランパードとジェラードがルーニーを補うように前線で攻めるため中盤が空洞。テリーは慣れない右サイドで点取り屋クローゼのマークに専念し、ミュラーとポドルスキはノーマークだった。そこに後半22分、FKのこぼれ球を拾ってからのカウンターアタック。20才のミュラーを先頭に、ポドルスキ(25)、オジル(21)シュバインシュタイガー(25)の若者4人が同時に全力疾走を始めた。鳥肌がたった。そんな感じで、あっという間にGoal! & Goal!これはもう何が何でも勝つ、楽しんで勝つという信念が見えた。
ルーニー、後半16分のボールはミルナーに出さずに、君が決めてほしかったよ、ねーさんは。

6月26日  未来をかきかえられなかった男

● ウルグアイー韓国 1−2 ポートエリザベス
パクチュヨンは試合開始早々、左45度、距離25mのFKを担当する。22日のナイジェリア戦でFKを決めた時と全く同じ場所、同じ角度。蹴る前に口元がニヤリとしたのは、自信の現れだったか。GKの動きと逆をついて左を狙って蹴るが、ゴールポストにはじかれる。もし彼がここでFKを決めていたら、同じ場所から2回もFKを決めて勝利に貢献し、ベスト8→4→と代表を進めた?男として有名になり、報奨金もたっぷりもらい、NIKEのキャンペーンではないけれど、未来をかきかえたに違いない。
ウルグアイの試合運びは、実にわかりやすかった。アトレティコマドリー所属で嗅覚鋭いフォルランとアヤックス所属のスアレズ2人でゴール周りはすべて支配、2点とも彼らが決めた。特に1点目、フォルランからのクロスを受けて遠くにいたノーマークのスアレズが放った鋭いシュートは、今もウルグアイのテレビ局で何度も繰り返しオンエアされているはずだ。未来をかきかえるシュート。弱冠23才。オランダの得点王は、この夏プレミアかリーガにきっと移籍する。なんてシンプルで、面白い。だから人はW杯にとりつかれる。





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